最近、ちょこちょこ聞くようになったショートクランクについて、書いてみようと思います。
ただ、いつもの通りあくまでも僕個人の考えです。
目次
ショートランクの是非について
僕個人的には有りだと思います。僕個人も今は165㎜のクランクを使っています。
ただ、既製品のクランクを切削等の加工をして使うのは、個人的には反対です。
理由としては、
- メーカーの保証が受けられない。
- パワーメーターの精度が担保できない。
といったところでしょうか。
保証に関しては誰でも分かるかと思いますし、加工される方は当然承知している上での加工だと思います。
パワーメーターの精度に関してですが、僕の想像ではありますが、既製品の長さより極端に短いクランクを使った場合、当然クランクアームの剛性が上がってしまうので、パワーメーターの数値は若干狂ってくると思うのです。
特にペダル計測タイプだと、高めの数字が出てしまうのではないのかなと。
まあ、パワーにしても心拍にしても、同じ機械で継続的に計測していくことが重要なので、問題無いかと思うのですが、過去のパワーと比較が出来ないというのは、個人的には困るので、加工してまで短いクランクは使いとは思いません。
ショートクランクのデメリット
既存のクランクを加工してのショートクランクのデメリットは上にも書いたとおりですが、それ以外、つまりクランクが短い事のデメリットは何か無いかなと考えてみました。
クランクが短くなると、クランクが描く1周の円は小さくなります。
つまり1周するスピードが速くなると思うのですが、ただでさえ踏み遅れてペダルが6時の位置でも下向きの力が残ってしまっている人が多いなか、クランクの回転スピードが速くなれば、さらに踏み遅れてしまう可能性が高くなのでは?と思います。
この辺りはペダリングスキルによっては問題ないのですが、大半の人がそこまでペダリングスキルが高くないというのが現実ですので、デメリットとして挙げてみました。
ショートクランクのメリット
まずは、クランクが短くなることによりどうなるかを整理します。
サドルの高さはペダルが下死点の位置で決まってくるので、クランクが短くなることにより、ペダルが上死点の時の高さ(下死点から上死点までの高さ)が狭くなることで、次のようなメリットが挙げられます。
股関節の角度に余裕が出来る
股関節の角度が広くなり余裕が出来ることで、より深い前傾姿勢を取ることが出来るようになります。
より深い前傾姿勢が取れるということは、全面投影面積が小さくなり、空気抵抗が低くなり、同じパワーで走っていてもタイムは短縮することが出来ます。
また、クランクの回転幅が狭くなることでのエアロ効果もあるのですが、これは文章では表現が難しいので
脚の上下幅が狭くなる
これは単純に脚の上下幅が小さくなるという事は、重たい脚を持ち上げる量が減ることにより、筋力的に楽になります。
ケイデンスが90rpmだと、1分間に90回、1時間で5,400回も脚を上げ下げすることを考えると、たとえ1㎝でも結構な差になるのではないかと思います。
クランクの回転による空気抵抗の削減
クランクは、水平の状態にあるときが一番空気抵抗が少なく、垂直の状態にあるときが一番空気抵抗が大きくなります。
クランクが短くなると、クランクが垂直の状態の時の上下幅が小さくなることから、ここでも空気抵抗が減ることになります。
理屈的にはクランク長が短ければ短いほど空気抵抗は小さくなっていくのですが、短すぎるとトルクを掛けるのが難しくなりなど、反対に回すのが難しくなってくる場合もあるので、どこでバランスを取るかで、クランクの長さを決めるのが良いかと思います。
まとめ
最終的に僕個人の意見としては、既製品を加工しない範囲で短いクランクを使うのが良いと思います。
160㎜以下の長さのクランクも、シマノ以外ですが販売しているメーカーもあるので、色んな長さを試してみるのも面白いかもしれませんね。
もし、既製品のクランクを加工する場合は、やりすぎにはくれぐれも注意してください。